文系は就活で不利?理系との違いを理解して就活を乗り切る方法を解説

就活基本知識

就活を始めると、「文系はアピールできることが少なくて就活不利なんじゃないか」「仕事に直結するスキルや専門知識を学んでいる理系学生の方が有利なのでは」と、不安を感じる学生もいるのではないでしょうか?

本記事では「本当に文系って就活において不利なの?」という疑問を解説していきます。

理系の就活の違いや、理系が就活強いと信じられている理・文系学生が選考でアピールできることについて、お答えします。

文系と理系では、文系の方が不利って本当?

就活でサークルの先輩や親から理系の方が有利だから頑張ってねと言われたら誰しもが不安になると思います。

しかし、その言葉を信じ切るのは少し待ってください。本当に文系学生の就職活動は理系と比較して不利なのでしょうか?この章では文系の方が不利かどうかについてお答えしていきます。

結論:文系の方が不利なんてことはない

タイトルにも書いたように結論としては「不利なんてことはない」です。

なぜなら、理系の学部生は文系の皆さんが思ってるほど専門性は高くないことに加えて、企業が学生に求める資質は理系特有のものではないからです。

しかし、後の章でも解説しますが、理系大学院生と文系学部生を比較すると、専門性の高さや仮説思考力や論理的思考力を含む基礎能力の差によって文系就職の方が遅れをとるということは事実です。

つまり、皆さんが思っている理系との差は「文系学生と理系学生の差」というよりは、「学部生と大学院生の差」というわけです。

実際、理系の学部生も受験時に「理系科目を受けているだけ」で手を動かす研究を4年生から始まるのがほとんどで座学が中心であることから、経験的な面を考えると文系と理系の学部生に大きな差はありません。

内定率に違いはあるの?

それでは、実際に文系学生と理系学生によって内定率、つまり就活の進捗に対して差はあるのでしょうか?

内定率に関しては、2023年卒では9.6ポイントの差が生まれていること判明しました。この内定率の差に関して、理由としては文系には推薦による就職がないが、理系には存在するからです。

後の章で詳しく説明しますが、理系には工科大学をはじめとする学部生でも専門性を身につけられる大学が存在します。そのため、特定の業界に限り理系学生はかなり楽をして内定を取ることができます。

そのため、このような差が生まれたのではないと推測できます。

理系が83.3%と、文系の73.7%を9.6ポイント上回っている。また、女性(77.2%)のほうが男性(75.9%)よりも内定率がやや高いことが目につく。

<JAST 会社ウォッチ>https://www.j-cast.com/kaisha/2022/06/25440132.html

(図表1)就職内定率(リクルート就職みらい研究所の作成)

文系が不利と言われている理由

文系と理系で学部生では大きな優劣はないということを前の章では解説しました。

それでは、なぜ一般的に文系の方が就活において不利と言われているのでしょうか。そう言われている理由として、以下の3つの理由が考えられます。

工科大学のように専門性が高い大学が存在するから

1つ目は、東京工業大学を筆頭とし、理系には理系専門(理系関連の学部しかない)大学があり、これらの学校の内定率が99%を超えるからです。

工業大学のような理系専門の大学では、残り二節で説明する通り、大学院生の割合が高く推薦の枠が数多くあるため内定率が高くなっています。

このような就職が強い大学の存在が、「理系は就職強いなー」と思わせているのです。

理系の方が大学院生の割合が高いから

2つ目の理由としては、学部生よりも優秀である可能性が高い「大学院生」の割合が文系よりも理系の方が圧倒的に高いからです。

筆者の母校である京都大学や東京大学の理系学生は8割ほどが大学院に進学しますが、理系学生で大学院に進学する学生は3割にも達していません。

理系大学院生では、専門性を保持しているだけではなく、学部生よりも2年も多く学生生活を送っているためアピールできる要素がたくさんあります。

そのため、大抵の理系大学院生は同じ大学の学部生と比較して大手に内定できる確率がかなり高くなっています。

全体に占める大学院生の割合が文系よりも多いため相対的に理系は就活が強そう。となっているのではないでしょうか。

理系だと推薦応募で就活を追える人も一定数いるから

理系の就職活動では、「自由応募」としての進み方も勿論あるが、大学を通しての「推薦応募(学校推薦)」という形式も存在することが特徴的です。

簡単に言うと、企業から「あなたの大学から各学科(専攻)で何名欲しい」という募集が大学(学科)に来て、それをもとに学生は応募企業を決めて選考へと進む。応募企業は成績が高い順に決めていける場合が多いのです。

そのため、大学の成績がいいだけで内定が貰えてしまう学生が一定数いるということです。

この内定の容易さが理系は就活で有利と言われている所以だと思います。

文系が理系と差別化を図り易いポイントは?

理系が就活強いと言われる理由に関して、解説してきました。それでは、文系が理系学生に対して差別化するためにはどうすればいいの?ということに対して解説していきます。

この記事の読者の中に1年生、2年生がいる場合は、今から紹介する3つの方法のうち長期インターンを始めることをお勧めします。

資格

大学生のTOEIC平均スコアは約600点ですが、語学力を必要とする職種や英語面接のある日本ロレアルやZSアソシエイツのような外資系企業の場合、平均点レベルでは100%落ちます。

そのため、外資系企業を受ける場合は最低でも700点以上を欲しいものです。留学経験があれば、短期でもアピールしましょう。

また、国家資格をはじめ、志望する職種に直結しそうな資格や免許を事前に取得しておくと有利です。入社してから使用する資格(宅建士など)を先に取ることで志望度のアピールにつながるでしょう。

自分はMARCHだから外資系厳しいよと思った方、下記記事にてMARCHにおける外資就活について解説していますので、参考にしてみてください。

<参考>MARCHから外資系は可能?内定者分析からわかったこととは?

対人コミュニケーション能力

理系学生に比べて文系学生がアピールできる強みは「対人コミュニケーション能力」です。

僕は理系大学院出身なのですが、コミュニケーション能力がお世辞でも高いとは言えません。

もちろん個人差があるため、理系学生が必ずしもコミュニケーションを苦手なわけではないですが、コミュニケーションスキルを評価されるレベルまで強化することによって理系学生との差別化を図りましょう。

また、理系学生は事前準備に使える時間が文系の学生よりも少ないため、準備の時間による面接の応答内容の整合性は担保しやすくなります。

ビジコンを含むビジネス体験

文系学生が理系学生よりも圧倒的に確保し易いものとして「時間」が挙げられます。

その余った時間を友達との遊んだり、バイトするのも一つの選択肢でしょう。しかし、就活を成功させるという観点で考えた場合、「ビジネス経験」を積みにいくのが一番おすすめです。

長期インターン生として会社に入社することで、学生ながらお金をもらいながらビジネス経験を積めます。

ビジネス経験は就活において、即戦力のイメージを想起させるため非常に有効に働きます。なので、時間はあるけど長期インターンはやっていないという文系学生がいれば、すぐにでも始めることをお勧めします。

まとめ

この記事で説明した通り、理系学生が応募条件になっている職種があったり、理系学生は企業にアピールする事柄が多いという事実も確かに存在するでしょう。

しかし、結論としては文系だから不利ということはありません。自分ならではの強みは何かを考え、それを生かせる企業はどんなところか、どんな伝え方をすれば自分の強みが伝わるかを調べて就活準備を進めてみてください。

自分で進めてみて悩んだときには、学校のキャリアセンターや社会人の先輩、文系学生向けのキャリアアドバイザーなど、第三者に客観的に話を聞いてもらうことで、強みを考えていく方法もあります。周りの力も上手に借りながら、就活準備を進めてみてください。

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