この記事では、エントリーシートの研究内容欄に書く内容や人事に評価させるESを書くコツを例文付きで解説します。
エントリーシート内で研究内容を問う企業は増えています。そんな中、研究内容を書く時に「向こう専門家じゃないからわかりやすく書くの難しい」と悩んでいる就活生もいるでしょう。もちろん企業に提出するものであることから、研究内容が確実に選考の基準になため、丁寧に書きたいものです。
実際に、エントリーシートで書かれた内容について面接官に積極的に質問されることが多いです。「ちゃんと答えられるか不安…」という方はこの記事を最後まで読んで、書き方のコツを掴んでみてください。以上のことを踏まえて、解説していきます。
企業がエントリーシートの研究内容欄に求めていること
企業はエントリーシートの設問一つ一つに対して、意図を持っています。そのため、エントリーシートを通過するためには、企業の質問の意図を考える必要があります。
この章では、エントリーシートで研究内容を聞く理由を解説していきます。
ESの研究内容から知りたいこと①:興味関心を知りたい
企業がエントリーシートで研究内容について聞いてる一つの理由としては、研究内容の決定からあなたがどのように興味を持つのかということを聞きたいからです。
なぜ今の研究テーマを選んだのか、理由を裏付けるエピソードを伝えることであなたの興味関心を伝えるために説得力のある内容になります。
企業は研究内容から、あなたの人間性や、思考性を知りたいと思っています。なので、研究内容そのものを話すだけだと不適切であり、意思決定のプロセス(興味を持ったきっかけ)をESでは触れる必要があります。
ESの研究内容から知りたいこと②:就活生の思考力を知りたい
研究内容をESで問う理由の2つ目はあなたの思考力を確認したいからです。
あなたが専攻している研究内容は、企業にとって専攻が同じでもない限り、理解することが難しい内容ばかりなものです。そのため、企業はエントリーシートを通してあなたの「相手が理解していないことをわかりやすく説明する能力」を確認しています。
そのため、後の章でも記載しますが、専門用語などは使わないようにしましょう。
ESの研究内容から知りたいこと③:面接官が面接で質問をする際に使いたい
研究内容をESで問う理由の3つ目は面接官が事前に質問の準備をしたいからです。
知りたいこと②でも触れた通り、100%近くの確率で人事の方にとって研究内容は未知なものです。しかし、研究内容からはあなたの思考性や興味関心を知れるため、人事の方にとってはあなたの良さを引き出すために「事前準備が必要」です。
そのため、来る1次面接であなたの魅力を引き出すための事前準備をするために、エントリーシートで事前に研究内容を聞いているのです。
エントリーシートの研究内容欄に書くべき内容
前章では、エントリーシートに研究内容を書くべき理由を説明しました。この章では実際にエントリーシートを書く際に「何を書けばいいか」について解説していきます。
研究内容を簡潔に書く(研究課題/研究テーマ/研究概要)
読み手があなたの研究内容を直観的にイメージできるように、「○○をしています。」など一言で全体の結論を記載します。前章で述べた通り、人事はあなたの研究に精通している人ばかりではないので、誰にでも簡単にイメージできる言葉で研究内容を伝えましょう。
どうしても専門用語がないと説明できない場合は、注意書きを記載して、意味をイメージしてもらうことが重要です。
興味を持ったきっかけを書く
研究概要の書き方の2つ目は、研究背景です。
なぜあなたが今の研究テーマを選んだのか「きっかけや思考プロセス」を記載しましょう。
研究背景を書くことによって、なぜその研究に興味を持ったのか、また、なぜその研究が興味関心を満たすために必要なのかということを面接官に理解してもらいやすくなります。
研究背景や研究目的を書いて課題を明示しておくことで、面接官のなかで研究に対するイメージの粒度が高まり、その課題に対してどのようにアプローチして解決しようとしたかという流れに持ち込みやすくなります。
人事はあなたの価値観を知るために、この研究をやろうと考えた理由を必ず面接で質問してきます。
研究の目的を書く
現在はどのような問題点が発生しており、何を解決するために研究しているのかを明確に記載しておくのも大切です。
前述の通り、企業の人事にとって研究内容を理解することは難しく、「なぜその研究が必要なのか」と疑問を抱くはずです研究の意味を伝え、何に役立つのか、社会のどのような問題を解決できるのかを説明しましょう。
具体的な取り組みを書く
4つ目として、あなたが実験で行っている具体的な取り組みについて記載すると良いでしょう。エントリーシートに目を通すのはあなたと同じ分野での専門家ではありません。
そのため、研究の目的や背景を聞いても「結局なにをしているの?何に取り組んでいるの?」となりかねません。そうならないためにも上記で記載した研究の目的や背景をもとに「今自分は〇〇に取り組んでいます」と明記しておくことをお勧めします。
こうすることでエントリーシートを読んだ人の理解が促進され、高評価につながりやすくなります。
研究の成果・実績を書く
5つ目として、あなたが研究を通して「何を成し遂げたのか」を記載しましょう。
上記の通り、エントリーシートを読んでくれるのはあなたの専攻内容に精通した人ではありません。そのため、何をしているか聞いても頑張っているのか(つまり、成果を残しているのか)どうか判断できません。
あなたが、柔道経験者ではなくとも「柔道の全国大会に出場した」と聞いたら「なんかよくわからんけど凄そう」となるように「〇〇人規模の学会で発表した」と聞いたら「なんかよくわからんけどすごそう」となります。
そのため、あなたが研究を通して何を成し遂げたのかということは明記するようにしましょう。
学びを抽出し、志望企業(志望職種)での活かし方
研究内容欄に書くべき最後のポイントとしては、研究生活で学んだことをどのように今後生かしていくのかという点です。
企業がエントリーシートで研究内容を聞いている理由の一つとして「この学生は研究活動を通して、どのような強みを醸成し、自社でどのように生かしてくれるのだろうか」という点が挙げられます。
そのため、必ず自分の研究活動を通して、自分が志望している企業に対してどのような活躍を示すことができるのかという点は記載するべきです。
記載しないと、専門家ではないエントリーシートの読み手は「研究頑張ってきているのはわかったけど、この子は弊社で活躍できるの?」と疑問に思ってしまうため注意が必要です。
研究内容を書く際のポイント・注意点
専門用語の使用をできるだけ避け、誰が読んでも分かりやすいように書く
エントリーシートに自信の研究内容を記載する時は、読み手が専門家ではないことを考慮して、誰でも理解できるように専門用語・業界用語は使わないように注意しましょう。採用担当者があなたが研究した分野に精通している確率は低いし、仮に運良く読み手が理系であったとしても物理専攻の人は生物専攻について詳しくありませんし、その逆も成り立ちます。そのため、研究内容を理解できず評価してもらえない可能性があります。それどころか自分の専門分野を誇示しているようにも映ってしまい結果として、「相手のことを気遣えない人」「伝える力がない人」と思われ、評価が低くなる場合もあるので、要注意です。
中学生・高校生に説明する気持ちで書き、分かりやすい文章を心掛けてください。専門用語は簡単な言葉に変換し、誰が読んでも分かるエントリーシートを作りましょう。
研究の成果・実績だけで勝負しない
研究内容を書く理系学生/理系院生は、学会発表などの研究成果・実績を記載する方も多いかと思いますが、全員が突出した成果を持っているわけではありません。
例えば筆者の場合、京都大学の修士卒業し、学会にも登壇しましたが、全てM2になってからで、就職活動をしているときには学会実績などありませんでした。
あくまで成果や実績は「あったらいいもの」として捉えておき傑出した成果が特にない人は、「取り組んだ背景・最も苦労したこと」など、様々な視点から自身の研究を捉えてみると新たな発見があるかもしれません。
研究内容のES例文一覧
最後に具体的に通過しているエントリーシート例について見ていきましょう。
例文1
私は、傑出した成功と才能の関係性について研究を行いました。オリンピック優勝などの社会的偉業は生まれ持った才能によるものか後発的に努力した結果かどうか証明する研究です。研究は3人のメンバーが日本代表に話を聞きに行くフィールドワークで集めた情報をデスクリサーチで調べ統計的差異について調べる方法で進めました。
私は議論するべきテーマ設定、フィールドワークの調査結果・議論の結果などを最終的にまとめ、学会で代表者として発表するいう役割を担いました。 メンバーそれぞれの意見を参考にしながら結論を出すのは工夫が必要でしたが、初めての経験で自分の成長に繋がるよい機会であったと捉えています。
例文2
私は摂取カロリーを抑えることによる寿命の伸長が引き起こされる仕組みの解明について研究を進めてきました。人生100年時代と言われているように人々の健康意識の高まり、人生を楽しむ時間を伸ばす一つの方法として注目されている研究です。
実験用に寿命を短くなるような遺伝子操作を加えたマウスに対して、与える栄養素、カロリーの違いによる寿命の変化について統計的に研究を行いました。実験当初は自分の仮説を立証する結果がうまく得ることができず、これらの作業は大変難しく忍耐力が付けられました。しかし、実験結果や仲間との議論を通して仮説をアップデートし続けることで最終的には国際論文出費つまで行くことができました。この経験は自分にとって仮説思考を身につけるきっかけとなりました。
まとめ
ポイントを押さえれば、研究内容欄で自分の魅力をアピールすることは十分に可能です。専門用語を使ったり、ダラダラと長く説明したりすることはマイナス評価に繋がるので、伝えたいことを簡潔に記載するよう意識しましょう。研究内容をアピールし、就活を有利に進めていきましょう。