就職活動のエントリーシートにおいて、「志望動機」はガクチカ(「学生時代頑張ってきたこと」)と並び、会社が候補者を見極める上で最重要項目の1つです。
しかしその一方で志望動機を書く際、下記のような悩みを持っている就活生も少なくないはずです。
「説得力のある志望動機の書き方がよくわからない」
「理系就職を希望しているけど、研究職と開発職って何が違うんだろう…。」
そこで、今回は、理系学生に向けた志望動機の書き方を詳しく解説していきます。
企業が理系学生に志望動機を聞く理由
そもそもなぜ、エントリーシートでは、志望動機を聞かれるのでしょうか?意図を考えずに書いてしまうと企業にとって「求めていた物と違う。。。」といった印象を与えかねません。
そのため、この意図を考えることで説得力のある志望動機が書けるようになります。
志望動機を企業が聞く理由としては、以下の3つが挙げられます
- ①志望している企業との相性
- ②志望度の高さ・本気度
- ③論理的思考力
それぞれ詳しく解説していきます。
①志望している企業との相性
1つ目の企業が知りたいポイントしては「自社との相性」になります。企業にとって新卒は「即戦力」ではないが、教育し、「未来に活躍を期待」している人材です。
企業にとって教育はコストであり、投資でもあることから、入社後の新卒者には長く会社に在籍して欲しいとおもっています。
そのため、入社時点でのミスマッチを避け投資対効果を高めたいのです。業界研究・企業研究を入念に行い、自分と企業とのマッチ度をアピールすることが重要になります。
②志望度の高さ・本気度
2点目は志望度の高さです。
リクルートの調査「就職白書」によれば、「採用にあたり重視する項目」として、「企業への熱意」はの78.3%の企業が重視しています。学歴を表す「基礎学力」が38%、所属クラブ・サークルが9%しか重視されていないことを考えれば、志望度の高さがいかに重要かが伝わるでしょう。
志望動機を通じて、いかに自分が「本気でその企業を志望しているのか」という「企業への熱意」を伝えられるかが内定の肝となります。
③論理的思考力
企業が志望動機で確認したいポイントの3点目は論理的思考力です。
大手企業であれば、企業の行っている事業の幅は多岐に渡り、企業を褒めるポイントは無限にあると言っても過言ではありません。
しかし、企業が聞きたいのはあくまで志望している理由です。
そのため、効果的に志望動機を伝えるためには、「志望している企業」と「自分自身の経験」がどのように結びついているのかということを論理的にわかりやすく説明する必要があります。
論理的にわかりやすく伝えられない、つまり論理的思考力が薄い学生は優秀でない可能性が高いため、面接に進みづらい傾向にあります。
志望動機を考える上でのポイント3選
前章では企業が志望動機を聞いている「意図」について解説しました 。
次に、この章では実際に志望動機を書き始める前に心得ておきたいポイントを3つ解説していきます。
自分の強みを理解する
1つ目に心得ておいていただきたいポイントの1つ目は「理系学生ならではの強みを理解する」といった点です。
自分の強みを事前に理解しておくことで、自分の活動と企業の活動をマッチングする作業がスムーズにやりやすくなります。
具体的な理系学生の強みとしては、研究で培われた「論理的思考力」や「仮説思考力」、ゴールから逆算してアプローチを決めていく「逆算思考」などが挙げられます。
文系学生も上記をアピールすることは可能ですが、理系は研究をしていると言うアドバンテージがあり、上記能力への説得力があると言えます。
研究の経験と志望動機を結びつける
2つ目のポイントとしては、「研究の経験を志望動機に結びつける」ということです。
大学での自分の研究分野と志望先の事業とに強い相関性がある場合、かなり説得力のある文章がかけます。
しかし、その際には、深い企業理解が必要ですのでしっかりと志望先がどのような研究を行っているのか調べておくのが必須です。また、面接官にもわかりやすく自分の研究分野を説明することが大切です。
柔軟さを武器にする
3つ目のポイントとしては柔軟さを武器にすることです。
僕自身も理系の大学院卒なのでよく偏見を持たれていましたが、理系学生(特に院生)はオタク気質でこだわりが強そうという偏見を持たれがちです。そのため、企業のエントリーシートを評価する担当者からも同様に思われる可能性があります。
そのため、自分の専攻と直接的に関わりのない企業を受けるときは、どうして専攻と異なる企業に繻子職しようと思ったのかということを詳しく記述すると担当者から高評価をもらいやすくなり、結果として面接に進めることでしょう。
簡単にできる!理系就活生の志望動機の書き方3ステップ
前章で書くときのポイントをしっかりと把握した上で、志望動機の書き方を解説していきます。
まず最初に結論を「明確に」述べる
1つ目のポイントは、志望理由を結論ファーストで明確に述べることです。
企業に対して「熱意がある学生」と思われるためには、なぜ弊社を志望したのか?という問いに答えなければなりません。
面接などでは、あえて結論ファーストではなくストーリー性を持たせる話し方もありますが、文面では結論から述べた方が無難です。
何百ものエントリーシートを読んでいる評価者にとって、自分の質問に対して答えてもくれない学生のエントリーシートを読む気にはなりにくいです。そのため、結論ファーストは心がけましょう。
②その理由を具体的に
2つ目のポイントは、志望している理由を具体的に伝えることです。
志望している理由、つまり自分がその会社に入社後に取り組みたいことを具体的にアピールすることで、説得力のある文章になります。その際には、志望している理由を述べるときは、適切に志望先の事業内容を確認の上、「具体的に」記載する必要があります。
上述した通り、企業は、学生の熱意に対して大きく注目をしています。もし、学生が抽象度高くどの会社でもできるようなことを志望理由としていたら、企業は「この就活生はなんとなくうちを受けているのではないか」と思ってしまいます。
そのため、企業研究を万全にした上で、なぜ自分はその企業でなければいけないのかを具体的な理由とともに示すようにしましょう。
③入社後の展望・抱負
最後のステップは入社後の自分の展望を述べることです。
企業にとって、通過させたい学生というのは「自社で活躍がイメージできる人材」です。そのため、エントリーシートの志望動機においても評価者に対して「この学生は熱量高く仕事に取り組み、自社で活躍しそうだな」と思わせる必要があります。
上記のように思ってもらうために「入社した暁にはどのような活躍をしたいと思っているか」を記載しましょう。
特にベンチャー企業や外資系企業のような実力主義の文化が強い企業では欠かさず記載するようにしておきましょう。
就職活動は多岐な対策が必要になります。理系大学院就活の全体像に関してまとめましたのでよかったらご覧ください。
理系学生が志望動機を書く時のよくある失敗
最後に志望動機を書くときの注意点を解説していきます。よく理系学生が失敗しがちな点を注意してエントリーシートを書くことで通過率を上げていきましょう。
自分の研究内容や研究で得られた能力をアピールしない
1つ目のよくある失敗点としては、研究活動に全く触れないといった点です。
これは志望動機に限った話ではないのですが、理系、特に大学院生にとって強みになることの1つとして、研究活動に精を出していたことが挙げられます。
そのため、研究内容に触れないということは文系との差別化ができなくなってしまいます。特に文系は学業以外の時間に多くの時間を割きやすいこともあり、研究内容で差別化ができないと不利になってしまいます。
そのため、志望動機に限らず、研究内容については記述するようにしましょう。
就業環境のみに注目してしまう
2つ目のよくある失敗点としては、事業内容ではなく、就業環境が志望動機になってしまっているという点です。
志望している企業が残業やグローバル展開があり、海外赴任も可能など企業の「就業環境」のみに固執して志望動機を書くパターンは散見されます。
例えば、グローバル展開できて海外赴任が目的だと志望動機で書いた学生がいるとしましょう。正直、「最初から海外就職した方が早いやん」と思います。ただ、この学生にとっていきなり海外で就職するのではなく、日本で学んでから海外に行きたいという旨があるはずです。
その旨を評価社に伝えるために就業内容だけではなく、事業内容も踏まえた志望動機を書くように心がけましょう。
研究活動のアピールをしているだけで、自分のアピールをしていない
3つ目のよくある失敗点としては、研究活動のアピールをしているだけで、自分のアピールをしていないといった点です。
大学時代の自分の研究内容をツラツラ書いて、いわば研究内容の自慢のような志望動機もよく見られます。企業は、大学で学んだ内容や実績は評価しますが、技術そのものが合致するということだけでは採用しません。
むしろ、技術は時代に合わせて陳腐化するため、上述のように学生の熱意などを高く評価します。
そのため志望動機では、自分の実績を語るのではなくそこから学んだスタンスや考え方を中心に記載すると良いでしょう
ということとその根拠を伝えるようにしましょう。