理系大学院生の中には、「進学したはいいものの研究向いていない気がするから文系就職したい」と思っている方も多くいるのではないでしょうか。
本記事では、理系大学院生が文系就職する割合や理系大学院生におすすめの業界などを解説していきます。
この記事を読めば、理系大学院生だけど、文系就職をする方の就活の方向性が明らかになると思っています。さっそく解説していきましょう。
理系大学院生の文系就職割合
それでは、理系大学院生の中で、メーカーの研究職やプログラマーなどの「理系職種」やコンサルタントやマーケターのような「文系職種」を選ぶ割合はどの程度なのでしょうか。
ブログ管理人の母校である京都大学や知人が通う東京大学の大学院生(修士)311名に
「就職活動を終始のうちに行うなら理系職種に興味があるか、文系職種に興味があるか」
というアンケートを取ったところ以下のような結果になりました。
このアンケートが示している通り一流大学の理系大学院生では、就職活動を行う学生のうち、半数以上が文系就職に興味を持っているということが判明しました。
理系大学院生が文系就職すべき理由
前章では、理系大学院生は文系就職に対して、興味を持っている人が多く、多くの理系院生にとって「文系就職は身近なものである」ということがわかりました。
この章では、文系職種に就職する「メリットはあるのか」という疑問に対して解説していきたいと思います。
結論:理系大学院生のニーズが高まっている
文系就職(ビジネス職)において、理系大学院生のニーズが高まっています。
あらゆる業種でDX化が進んだことで、資料を単にまとめるなどの単純作業が大幅に減少しました。
これによって、多くの仕事で「人間らしい働き方」つまり、論理的思考力や数値処理能力が必要になったため、研究活動でこれらの力を培ってきた理系院生のニーズが社会全般で大きく高まっています。
また、専門性があることも理系学生のニーズ上昇の一因となっています。技術者として仕事をするわけではないですが、その中でも技術にある程度の理解があることでスムーズに仕事をこなすことができるからです。
例えばアパレル企業では、繊維工場の開発において現地工場を作る場面や生産効率の向上を考える場面で、技術理解があることは技術者とのコミュニケーションを円滑に回しやすく、大きな価値となります。
世界的な成功を果たしたスティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグも理系出身であり、これからの社会を作っていく上で理系人材の重要性は高まり続けると言えるでしょう。
このように、文系職種では「考える力」や専門性に長けた理系学生のニーズが高まっているのが現状です。
理系大学院生が文系就職するメリット
この章では、理系大学院生が文系職種で就職活動をする上でのメリットをご紹介していきます。
①研究での考え方がビジネスに応用できる
前の章で解説した通り、ビジネスでは今理系人材の「仮説思考力」「考える力」や「論理的思考力」のニーズが高まっています。
そして、理系学生は研究活動で「自分の仮説を立案→検証→結果を解釈→再プランニング」といったようにPDCAを回し続けているためこれらの能力が文系学生と比べて、強みであると言えます。
また、面接官も上記のように理系学生=思考力が強いと思っていることも多く、面接官の評価が高くなりやすいのも事実です。
理系学生の持つ頭良さそう?という印象が短い時間で合否を判断する面接と相性が良いため、理系大学院生にとって、一般面接が大きな比重を占める文系就職は有利になると言えましょう。
②専門的な知識が役立つ。
大学の講義が主体の学部4年間と大学院生活では大きな差があります。
大学院での2年間というのはあくまで専門の学問の知識追及やアカデミックの世界で生きるために必要な知識、スキル等を身につけることが主であることが多いからです。
そのため、理系大学院生には、一般の学生と違い全員が自分の専門分野というものを持っているはずです。
そのため、自分の専門と近いサービスや商品に対する理解が学部生と比較し、深まりやすくなり、仕事を有利に進めることができます。理系職種ではなくとも例えば、メーカーの営業職や、自分の分野に近いコンサルタント職などで専門分野が活かせるはずです。
これらによって、学部生と比較して早くキャリアップが可能になるでしょう。
予備知識がなく理解に時間のかかる文系よりも企業に重宝されることでしょう。
「専門性を活かすなら理系就職しかない」と思っている方がいるかもしれませんが、
・メーカーの営業職や企画職
・ITコンサルタント
理系大学院生が文系就職を成功させる上でのポイント
最後の章では、理系大学院生が文系就職を成功させるために注意すべきポイントについて解説していきたいと思います。
いくら、理系大学院生が有利だとしても注意すべきポイントを理解した上で就職活動を行うように注意しましょう。
論理的思考力をアピールする。
一つ目としては、論理的思考力をアピールすることです。
上述した通り、理系大学院学生=優秀そうとなるのは間違いありません。
しかし、難関企業になればなるほど「優秀そう」な志願者が増えます。そのため、理系大学院生は優秀そうに見えるから大丈夫そうと高を括ると面接で落ちてしまいます。
そのため、今までの活動を鑑みて「これ人から見たら優秀そうだと思われるな」と思うことをまとめておきましょう。
そのエピソードをスラスラと喋ることで「優秀そう」から「本当に優秀」と思われるようにすることが大切です。
SNSで就活友達を作る。
理系大学院生は研究活動があるため、文系学生と比べて就活対策する時間が圧倒的に足りません。
文系学生と比較して、情報格差が生まれてしまう可能性があるため、効率よく就活を進める工夫をする必要があります。
具体的には、基礎情報は他の人に調べてもらって情報を得るということが大切になってきます。
そして、情報を得るために就活の友達を作ることをお勧めします。
具体的には
・SNSで就活コミュニティを作成 and 活用して情報を集める
・先輩内定者やOBに話を聞く
私は、SNS(Twitter)で就活コミュニティを作成し、少人数で情報交換する文化を作っていました。これにより、自分の調べる時間を限りなく減らすことを実現しました。
準備不足によって面接の際に論理だてた回答ができないと、せっかくの「考える力」も評価してもらえません。効率よく就活を進められよう努力しましょう。
研究内容をわかりやすく説明する
理系大学院生は研究内容をほぼ100%の確率で聞かれます。
しかも、大抵の面接官は文系出身であるため、研究の話をそのまましても絶対に理解できません。
そのため、面接官が研究内容を聞くのは、研究内容に興味があって聞いているのではなく、「難しい内容でも相手が簡単に理解できるように伝えられるか」を試すために聞いています。
そのため、専門用語や横文字だらけの自分が知るままを伝えるのではなく、簡単に噛み砕いて説明するようにしましょう。
まとめ
本記事では理系大学院生が文系就職する場合、有利に働くということを解説してきました。
理系大学院生は優秀な学生が非常に多く、きちんと努力すれば就職活動がうまく行くに違いありません。しかし、研究との両立で時間がないため、効率的な就職活動をすることを心がけましょう。